お家の給湯設備。電気、ガス、灯油?どれがお得?

エネルギー

電気、ガス、灯油。どの給湯器選ぶ?

日本国内の一般住宅では、お湯を出す為の給湯設備に選択肢が有ります。

マンション等の集合住宅では、最初から決められた設備となりますが…

戸建て住宅の場合には、「電気」「ガス」「灯油」の3種類が一般的。

選択の基準や、メリットとデメリットを解説します!

お家によって、最初から決められているかと思っていた。
自分で選択出来るの?

戸建て住宅で、持ち家の場合であれば、ご自分で選択可能です!

どれを選択するのが、最もメリットが出るのかは、人それぞれ。

給湯器本体の「導入価格」「ランニングコスト」「設置スペース」を解説。

どれがご自身にピッタリなのか、分かります。

取替え更新時新築検討時の参考にしてください!

1.住宅の給湯設備の種類
2.電気式の給湯器
3.ガスの給湯器
4.灯油の給湯器
どんな種類が存在するのか、全体像を説明。
更に、それぞれについて、詳しく解説します!

住宅の給湯設備の種類

そもそも、給湯器とは?
「蛇口をひねるだけで、”お湯”を出してくれる機械」の事。
現在は当たり前の事ですが、ひと昔前は、事情が違っていました。

「ひと昔前」と「現在」の給湯設備の違い

ひと昔前
お風呂:浴槽に水をためて、ボイラーでお湯を沸かす
台所 :瞬間湯沸し器を設置して、お湯を出す
現在の主流
1台の給湯器でお湯を作り、それぞれの箇所へ配管で供給
お風呂、台所、洗面所の3か所程度でお湯が使える
現在は、多くの場合、1軒のお家に給湯器が1台。
その為、”どれを選択して設置するか”が重要となります。

何故、どれを選択するかが、重要なの?
たかが、給湯器の事じゃない?

給湯器の必要なエネルギーは、家庭全体の3割以上。
毎月の光熱費に、大きな影響が出ます!
家庭で消費するエネルギーは、5種類に大別されます。

家庭で消費されるエネルギーとは


(画像:リンナイカタログより抜粋)
(省エネ基準一次エネルギー消費量割合)
温暖地、寒冷地により、数値や割合は異なります。
「給湯」の割合が高い事が分かります。
”どんな設備”で、”どのくらい使用するか”により、光熱費に対しての影響大
「電気料金」と「ガス料金」は大きな固定費。
⇒”大きな固定費”を知って、見直しをするのが、得策と考えます!

給湯器って、どんな種類が有るの?

まずは、「貯湯式」「瞬間式」を解説!

「貯湯式」と「瞬間式」の違い

貯湯式 ⇒(電気、ガス、灯油)

お湯をゆっくり沸かして、タンクに貯めておく方式。
使用する時は、タンク内のお湯が出てくる。
メリット
深夜電力等、単価の安い時間に稼働が可能
デメリット
タンクが必要となる為、設置スペースが大きく必要
瞬間式⇒(ガス、灯油)
お湯を瞬間的に沸かして、そのまま出していく方式。

メリット
貯めておく事が無い為、衛生的。本体がコンパクト
デメリット
パワーが必要の為、ガス式に限定される(一部灯油もあり)

電気、ガス、灯油のそれぞれに違いについて教えて!

「電気」「ガス」「灯油」それぞれの種類と特徴

「電気」給湯器

電気式は、現在2種類が販売されています。
昔からの「電気温水器」と高効率タイプの「エコキュート」。
どちらも、深夜電力でお湯を沸かして、タンクに貯めておく方式。
現在では、「エコキュート」の方が、主流になっている。

「ガス」給湯器

ガスを使用する、家庭用給湯器は大まかに4種類

・ガスを用いて化学反応により、発電も行う「エネファーム」

・ガスと電気の良いとこどりで両方活用する「ハイブリッド給湯器」
・ガス給湯器の排熱を再利用する、潜熱回収型の高効率給湯器「エコジョーズ」
・従来から販売されている、ベーシックな「従来型ガス給湯器」

「灯油」給湯器

現状は少数派の給湯設備で、大まかには2種類。

・ガスのエコジョーズと同じく、高効率にした「エコフィール」

・従来から販売されている、ベーシックな「従来型灯油給湯器」

電気式の給湯器

電気式は、ヒーターで沸かす「電気温水器」と、高効率の「エコキュート」の2種類。
どちらも基本は”深夜電力”を活用して、お湯を沸かします。
貯湯式の為、大きなタンクが必要となり、設置スペースは”広く必要”です。

電気温水器

電気温水器は電熱ヒーターを使用使用して、お湯をつくります

イメージは電気ポットと同じ。

 (画像:三菱電機HPより)

写真のように、昔のものは丸い筒状のタイプが多い。

メリット
・購入費用が(エコキュートに比べて)安い
・災害時に、お水が(タンク分)確保可能
デメリット
・光熱費が高くなりがち(エコキュートの約4倍)
・給湯圧力が低い(機種が多い)
スペース目安
・1m×1m程度必要(タンク設置)

エコキュート

「空気の熱を使ってヒートポンプでお湯ををつくる」
と、よく表現されますが、意味不明ですよね!
エアコンの室外機(ヒートポンプ)と同じ仕組みの機械で、”暖房運転”をしています。
厳密には、冷媒の種類が”フロンガス”ではなく”CO2”を使用しています。
本体は、電気温水器に、エアコン室外機を足したイメージ。
メリット
・光熱費が安い(電気温水器の約4分の1)
・災害時に、お水が(タンク分)確保可能
デメリット
・購入費用が(電気温水器に比べて)高い
・給湯圧力が低い(機種が多い)※高圧対応タイプも有り
スペース目安
・幅2m×1m程度必要(タンク+ヒートポンプ)

ガスの給湯器

ガス式は、大きく分けて3種類有ります。
ガスを化学反応させて”電気”と”お湯”を同時に作る「エネファーム」
ガスと電気の良いとこどりの、「ハイブリッド給湯器」
瞬間的にお湯を沸かす、シンプルな「ガス給湯器」
価格の幅も大きく、ラインナップが豊富な内容となります。

エネファーム

エネファーム とは、家庭用燃料電池コジェネレーションシステムの愛称である。2008年6月25日に燃料電池実用化推進協議会 が家庭用燃料電池の認知向上を推進する取り組みとして、企業に関係なく統一名称を決定した。 ウィキペディア

発売開始当初、次世代の給湯器として注目され、10社以上が販売。

2021年現在、パナソニックとアイシンの2社が販売中。

⇒ パナソニックHP

⇒ アイシンHP

 
(画像:パナソニックHPより)

何だか、複雑そうで分からない~

簡単に分かりやすく説明します!

ポイントは”発電”と”お湯を作る”の2つ。

発電:ガスから取り出した水素と、空気中の酸素を化学反応させることで発電。

お湯:発電時に発生する熱を利用してお湯を作る。貯湯タンクのお湯が不足時や、おフロの追いだきはバックアップ熱源機で加熱。

更に分類すると、発電重視「SOFC」とお湯重視「PEFC」の2種類あります。

2021年現在⇒ アイシン製:SOFC パナソニック製:PEFC

メリット
・自宅で発電が出来る⇒電気代が安くなる
・災害時に、自立運転で電気とお湯の確保可能(一部条件あり)
・環境に良い
デメリット
・機器の導入費用が高い
・ガス代は高くなる傾向(契約による)
・シンプルな機械と比較すると、故障発生率が高い
スペース目安
・幅2m×1m程度必要(発電ユニット+タンク、バックアップ給湯器)

ハイブリッド給湯器

電気とガスの良いとこどり!のキャッチフレーズで、2010年から発売開始。

電気のメリット「経済性」、ガスのメリット「瞬発力」の両立。

ランニングコストを抑えながら、ガス給湯器のバックアップによる”無駄の削減”を実現。

2021年現在、リンナイとノーリツの2社が販売中。(家庭用向け)

⇒ リンナイHP

⇒ ノーリツHP


(画像:リンナイHPより引用)

さっきの「エネファーム」と、何が違うの?

全くの別物なので、簡単に解説しますね!


(画像:リンナイHPより引用)

ハイブリッド給湯器 ⇒”最高に効率よく、お湯を作る機械”

①学習機能に基づいてヒートポンプで、タンクにお湯を貯める。
②カランをあけると、タンクに貯めたお湯が出てくる。
③タンク内のお湯が不足した場合には、ガス給湯器で補助。
対して、「エネファーム」は、ガスから”お湯+電気”を作る機械。
どちらが適しているかは、環境によるので、別記事で解説します!

 

メリット
・お湯の光熱費が安く抑えられる
・災害時に、タンク内のお湯の確保可能
・故障発生率は、その他最新設備に比較すると低そう
デメリット
・機器の導入費用が高い(定価60~100万円程度)
・タンク+ヒートポンプを並べる設置スペースが必要
・大手都市ガス会社は、扱いをしていない場合も有る
スペース目安
・幅2m×0.7m程度必要(タンク、熱源機+ヒートポンプ)

ガス給湯器

日本国内で最も出回っている「ガス給湯器」

通常のタイプと、高効率の「エコジョーズ」の、大きく分けて2種類。


(画像:リンナイカタログより抜粋)

コンパクトで壁掛け設置も可能。

アパート、マンション、戸建て住宅と広く普及している給湯設備。

コンパクトで、設置の自由度が高い事も有り、特に都会方面に行くほど普及率高め。

地方では、次項で紹介する”灯油ボイラー”が増えてくる傾向。

ガス給湯器まとめ

メリット
・コンパクトに設置可能
・瞬間式の為、お湯が常に衛生的
・他の給湯設備と比較すると、高くはない(定価10~50万円程度)
デメリット
・ガス料金設定が高いと、ガス代が高くなる
スペース目安
・幅0.6m×奥行1m程度必要(奥行は排気吹き出し考慮)

灯油の給湯器

灯油のボイラーは、貯湯式と瞬間式があります。


(画像:長府製作所HPより引用)

現在は、瞬間式が主流のようです。

更に、ガスと同じく、通常タイプと高効率タイプ。

灯油ボイラーの高効率タイプは「エコフィール」という名称で、各社共通。


(画像:長府製作所HPより引用)

ガスのエコジョーズと同じく、排気熱を再利用して、効率UP!

メリット
・機器本体が、他に比べると安価な傾向
・ランニングコストが”そこそこ”安い
デメリット
・灯油価格の変動が大きく、光熱費が不安定(最大2倍程度)
・灯油タンクも必要な為、スペースが必要
・運転音や臭いが若干気になる
・燃料(灯油)の補給が必要
スペース目安
・幅2m×1m程度必要(ボイラー+灯油タンク)

まとめ

「給湯設備」のオススメ判断基準
・都会でスペースが限られる場合は、「ガス給湯器」一択
・共働き、日中在宅が少ない場合はALL電化も視野にいれ「エコキュート」
 (日中在宅多いと、昼間電気料金高いので要注意)
・災害時の自家発電に憧れの場合、最先端「エネファーム」
・機械の費用とランニングコストのバランス№1「ハイブリッド給湯器」
「給湯設備オススメできない判断方法
・初期費用の安さだけに拘った選択
 (世帯多く、ランニングコスト高すぎは×)
・とにかく、今までと同じもの
・お店の勧めを鵜呑みにする(自分で考えない)
戸建て住宅で、設置スペースも有る場合は選択肢が多数有ります。
給湯設備は一度設置すると10年~15年程度は使用する場合が多い。
故障すると生活に支障が出る為、焦って交換すると、良い事になりません!
年数が経過している場合は、早めに調べて自分で賢い選択を。
それぞれの機械に関しては、別記事で詳しく紹介していく予定。
事前に調べて、購入費用とランニングコストのバランス考えて、よりお得な生活を!

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