給湯器リモコンの設定温度。高温VS適温。どちらが得なのか?
光熱費を安くしたい!
特にプロパンガスを使用している人は、高く感じている人も多いはず。
同じようにお湯を使用するのであれば、どっちがお得に使用できるのか?
②リモコンの温度を使用する適温に設定。お湯側だけを出湯(水と混ぜない)。
少しでも節約したい気持ちから、どっちの使い方がお得なのか、聞かれる事があります。
”お得”という観点では、どちらが良いのか分からないわ。
分かっているようで、知らない事ですよね!
「結論」:どちらも、ほぼ同じ
結論としては、経済的には、ほぼ同等となります。
この記事の前提条件として、以下として解説。
それぞれのメリット、デメリットを考えて、使う人の都合に合わせましょう。
以下の内容で、解説します。
2.リモコンの設定温度による、光熱費への影響、違い。
3.それぞれのメリットとデメリット
お風呂のシャワーや、キッチンのカランでのお湯の温度。
何℃くらいが適温として、使っていたっけ?
一般的には、38℃~42℃くらいでの使用が多いですね。
お湯は何℃くらいが適温?設定温度とは?
お湯の温度って、どのくらいが適温として使われているの?
一般的に使用されている、「お湯の温度」について説明します!
適温とされる「お湯の温度」
使用の用途、季節によっても若干は異なります。
ここでは、一般家庭での「キッチン、洗面所、お風呂のシャワー」について。
寒冷期(秋~冬):40℃~42℃
上記のように、おおよそ40℃前後が”適温”として使用されます。
リモコンでの温度設定って、何℃に設定可能なの?
設定出来る温度についても、説明します!
リモコンでの設定可能な温度
メーカー、機種によって、若干の違いは有りますが。
上記までは、大体どのメーカー、機種でも設定可能範囲。
(機種により)
低温:32℃~設定可能
高温:70℃まで設定可能
最近の給湯器では、”安全面を優先”の為に、初期設定では60℃までしか上げられない機種がほとんどです。
(設定を変更することで、70℃まで上昇可能な場合もあります)
給湯器の”リモコンが無い”家も有ったような…
リモコンを設置していないパターンも有ります!
リモコン設置が無い場合
ガス給湯器は、リモコンを設置しなくても、作動する機種がほとんどです。
アパート、マンションの賃貸物件では、”リモコン無”の部屋も多い。
”リモコン設置無し”の場合は、上記の3段階くらいに設定できます。
(給湯器本体内部での、設定が必要)
ほとんどの場合、60℃設定にしておいて、”カランでミキシング使用”となる。
(高い温度のお湯が欲しい時に、リモコンでワンタッチ操作が出来ないから)
リモコン有る方が便利なのに、設置しない場合が有るのは何故?
建物を建築する際、かかる費用を削減する為ですね。
ガス機器(リモコン含)等は、建物建築時に発生する費用。
施主(オーナー)、又はガス事業者のどちらかが負担する事になります。
”費用削減”を目的に、設置していない現場もあって当然ですね!
リモコンの設定温度による、光熱費への影響、違い。
では、高温設定か適温設定。
光熱費としては、変わらない理由を教えて!
経済的な観点から見た、”光熱費”の違いを説明します!
温度設定による”光熱費”の考え方
「給湯器のリモコン温度設定を高く(高温に)設定している方が、ガス代が高くなりそう。」
問い合わせで、最もよく聞くフレーズ。
この質問に対して、(経験上)正確に返答できるガス屋さんは、ほとんどいません(笑)
結果は”(ほぼ)同じ”なんですよね。
具体例を出して、考察していきましょう!
<具体例>
水温が20℃。カランで40℃のお湯が欲しい。
カラン(蛇口)では、10リットル/分のお湯が出ます。
1分間、お湯を出すために、必要なガス代(エネルギー)は?
パターン①
カランでは、お湯側のみを出す。(水と混ぜない)
計算)
水温20℃⇒お湯40℃ 20℃上昇
10Lのお湯を作るのに必要なエネルギーは20(℃)×10(リットル)=200Kcal
カランでは、お湯に水を混ぜて、40℃のお湯を出す。
計算)
水温20℃⇒お湯60℃ 40℃上昇
カランで、60℃のお湯(5リットル)と20℃の水(5リットル)を混ぜると、
⇒必要な「40℃のお湯(10リットル)」が出てくる。
60℃、5Lのお湯を作るのに必要なエネルギーは40(℃)×5(リットル)=200Kcal
上記のように、結果は同じエネルギー量となります!
必要なエネルギー量が同じなので、光熱費も同じになる。
分かりやすく、更に”プロパンガスでの換算”すると、
200Kcal÷24,000Kcal ≒0.0083㎥
0.0083㎥×500円=4.15円
(LPガス1㎥あたり:500円、24000Kcalとしています)
結論!どちらの温度設定でも、約4円少々のガス代。
そんな単純な話なの?反対意見も出そうだけど…
分かりやすくするため、シンプルに説明しました。
少しだけ、補足もしておきます!
補足
実際の使用環境では、その他の要因も多少は有る。
代表的な、その他要因を補足しておきます!
配管の放熱ロス
給湯器からカランまでの間、”お湯”は配管を通って運ばれます。
外気温度と、お湯の温度の差が大きいほど、放熱ロスは大きくなります。
⇒高温設定にするほど、放熱ロスが大きくなる。
給湯器の熱効率
給湯器でお湯を作る際も、熱効率があります。
ガス給湯器の場合、
従来型:約80~85%
エコジョーズ:約90~95%
実は、ガスや石油給湯器の場合、水と湯の温度によって、熱効率が違う。
入水温度と出湯温度の差が大きいほど、「熱効率が良い」
⇒同じ入水温度(お水の温度)なら、”高温設定の方が効率が良い”。
補足まとめ
細かい事を見ていくと、高温設定の方が優位、不利、と様々。
そこの影響は少ないのと、設置環境により異なる部分なので、考慮しない事とします。
それぞれのメリットとデメリット
”高温”と”適温”、どっちにしておくのが、使いやすいの?
メリット | デメリット | |
適温設定 (40℃前後) |
・蛇口ひねるだけで、適切な温度 ・ラク。調整の手間無し |
・高温が必要な際、リモコン操作必要 ・夏場に温度が安定しない事がある*1 |
高温設定 (60℃) |
・手元で適温~高温の調整可能 | ・注意しないと、火傷の危険性 |
筆者のオススメな使用方法は「適温設定」。
蛇口をひねるだけで、”ラク”な事と、”火傷の心配が無い”ので。
ただし、高温設定の方がオススメな例外も有ります。
高温設定がオススメな場合(例外)
追い焚き機能の付いてない、「単機能給湯器」を使用の場合。
尚且つ、複数人でお住まいで、お風呂の湯張りしたお湯の温度を上昇させる為に、熱いお湯を足して使用する事が多い場合。
この場合に限っては、”高温設定”がオススメ。
2人目以降が入浴の際、お湯の温度が冷めていたら、熱いお湯を足して沸かす必要有るから。
基本は、適温設定が良さそうね。
そうですね!
「複数居住&単機能給湯器」の場合を除いては!
生活の状況、パターンによって上手に使い分けましょう。
まとめ
●「高温設定」「適温設定」は、光熱費は変わらない。
●自身の生活環境やパターンによって、どちらが使いやすいか判断。
知っておいて、損をすることは有りません!
それぞれの特徴を理解して、お得に安全に使用しましょう!