ガス衣類乾燥機「乾太くん」”排湿筒の長さ”
「かんたくん」を屋内設置する際に必須となる「排湿筒」の解説。
乾太くんが多く販売される様になり、設置状況も多様化。
特に新築住宅では、天井裏に入れて延長する事例も増えています。
排湿筒の長さ、どのくらいまでいけるの?と思っている方にはピッタリな話題です!
以前の解説では、φ100では10m、φ80では8m。
こんな説明だったような記憶が…
以前の基準では、そうなっていました。
最近では部材の種類も増えて、少し変更となっています!
どんな場面で、長さを気にする必要があるのか。
どのくらい延長可能?また、計算方法等を詳しく解説します。
どんな設置の際に、排湿筒の長さを気にする必要がある?
通常は”排湿菅セット”ですぐに屋外に排湿するだけでOK。
延長して、長さを気にするのはこんな場面です!
一旦、天井の中に入れて配管する場合、長くなることがあります。
どんな場合に、わざわざ天井の中を通すの?
乾太くんの設置場所が、外壁に面していない場合。
又は、取付け高さの兼ね合いで、天井下配管が出来ない場合。
一般の戸建て住宅では、あまり気にしなくてOKな場合がほとんど。
最近では、”老健施設”等での設置が増加中。
大きい建物では、特に長さを計算に入れる必要があります!
以前は、どんな基準だった?
以前は、φ100かφ80か。
かなり簡単な説明でした。
よって、延長が必要な場合は
基本的にはφ100をオススメしていました!
現在の基準と計算方法
現在は、給湯器の排気筒の長さ計算のような”計算式”となりました!
排湿口のダンパー有無、排湿トップ(パイプフード)の多様化などあり、一律での長さ表示ではなく計算となっています。
今回の新たな基準も、φ100とφ80に分けて解説します!
計算式(φ100)
まずは公式
上記の、”D=37以下”ならOK!
L:KP直管、スライド管の長さ
M:エルボの係数
N:エルボの数量
O:トールエルボの係数
P:トールエルボの数量
Q:直角エルボの係数
R:直角エルボの数量
S:パイプフードの係数
以下、部材別の係数表です。
記号 | 品名 | 型式 | 係数 |
K | 排湿口ガイド | DG-100A | 0 |
ダンパー付き排湿口ガイド | DG -100BK | 3.6 | |
L | φ100直管 | FFP-10-*** | 長さ |
φ100スライド管 | FFP-10-*** | 長さ | |
M | φ100KP90度エルボ | EFL -1090NJ | 4.6 |
φ100KP45度エルボ | EFL -1045NJ | 1.7 | |
O | φ100KP90度トールエルボ | FFL-10ー90A | 2.3 |
φ100KP45度トールエルボ | FFL-10ー45A | 0.9 | |
Q | φ100直角エルボ | DE-100A | 6.9 |
S | パイプフード(丸型標準) | DF-100A | 2.5 |
パイプフード(静音先付け) | DFK-100 | 4.7 | |
パイプフード(静音後付け) | DFST-100 | 6.3 | |
パイプフード(角形) | VB -JG100SーR | 8.9 | |
後付フードセット | DFA-100 | 2.9 |
続けて、φ80の場合を記載します!
計算式(φ80)
まずは公式
上記の、”D=11.7以下”ならOK!
計算式は同じで、Dの数値が違うのね。
L:KP直管、スライド管の長さ
M:エルボの係数
N:エルボの数量
O:トールエルボの係数
P:トールエルボの数量
Q:直角エルボの係数
R:直角エルボの数量
S:パイプフードの係数
以下、部材別の係数表です。
記号 | 品名 | 型式 | 係数 |
K | 排湿口ガイド | DG-80A | 0 |
ダンパー付き排湿口ガイド | DG -80BK | 3.6 | |
L | φ80直管 | EFP-8**NJ | 長さ |
φ80スライド管 | EFS-8**NJ | 長さ | |
M | φ80KP90度エルボ | EFL -890NJ | 2.8 |
φ80KP45度エルボ | EFL -845NJ | 1.8 | |
O | φ80KP90度トールエルボ | FFL-8ー90A | 1.4 |
φ80KP45度トールエルボ | FFL-8ー45A | 0.9 | |
Q | φ80直角エルボ | DE-80A | 4.2 |
S | パイプフード(丸型標準) | DF-80A | 0.9 |
パイプフード(静音先付け) | DFK-80 | 1.0 | |
パイプフード(静音後付け) | DFST-80 | 1.4 | |
後付フードセット | DFA-80 | 1.3 |
計算方法は分かったけど、理解しにくい。
直感的にも、どれくらいOKなのか…
非常に分かりにくいですよね!
次項では、計算事例でどのくらい対応可能か検証します!
「トールエルボ」って、何?
φ100とφ80の係数計算の中で「トールエルボ」というものが。
通常「エルボ」と「トールエルボ」の違いについて補足します!
「トールエルボ」の方が、係数として抵抗少なく有利なのでは?
そうです!「トールエルボ」の方が、抵抗少ない部材です。
イラストイメージだと、こんな感じ。
通常のエルボが、”でこぼこ”しているのに対して、「トールエルボ」は”ツルッと”しているイメージ。
「トールエルボ」のメリットとデメリットを簡単にご紹介。
大きさ | タイプ | 型式 | 定価(税込) |
φ100 90度エルボ |
通常 | EFL -1090NJ | 3,960円 |
トール | FFL -10-90A | 4,950円 | |
φ100 45度エルボ |
通常 | EFL -1045NJ | 3,960円 |
トール | FFL -10-45A | 4,950円 | |
φ80 90度エルボ |
通常 | EFL -890NJ | 3,630円 |
トール | FFL -8-90A | 4,730円 | |
φ80 45度エルボ |
通常 | EFL -845NJ | 3,630円 |
トール | FFL -8-45A | 4,730円 |
それぞれ、通常タイプと「トールエルボ」で、約1000円差。
必要に応じて、活用するのが良さそうですね!
パターン別、長さ計算。結局どのくらいOKか
先に、分かりやすく目安を表現します。
(結論)延長可能長さの目安
2曲り(エルボ×2個)の場合:約20m
4曲り(エルボ×4個)の場合:約10m
ステンレス管での延長設置には不向き
排湿口に”ダンパー付”を選択しなければ、何とか5m程度OK
延長する場合、φ100の方がオススメなのね!
数パターン、計算をしながら見ていきましょう!
1.まっすぐ立ち上げて、天井裏へ
2.天井裏で、複数回エルボで方向変えて屋外方向へ延長
3.排湿口ガイドは、基本的に”ダンパー付”とする
計算① 2曲がり、10m延長
<φ100の場合>
=25.3
D=37までなので、判定OK
37-25.3=11.7余裕があります。
標準フードのままなら、延長距離が約20mでも大丈夫!
<φ80の場合>
=20.1
D=11.7までなので、判定NG
φ80でOKとなるよう、変更する場合
・延長距離を、10m→5m以内
上記2点の変更で、11.6。
ギリギリセーフですね!
計算② 4曲がり、10m延長
計算②として、”4曲がり”を見ていきます。
天井裏で、他の配管や障害物との取り合いで、曲りを増やす場合。
<φ100の場合>
=34.5
D=37までなので、判定OK
37-34.5=2.5(割とギリギリ)
延長を8m以内ならOK
<φ80の場合>
=25.7
4曲りだけで、係数は11.2になります。
曲多い場合は、φ80は使用NGと覚えておきましょう!
(おまけ)排湿筒セットの場合は?
排湿菅セットの場合の”長さ”について。
こういった、ジャバラ管のセットを使用する場合の”長さ”について。
上図イメージのように、天井下で配管していく場合。
短くする事も可能なんですか?
両端のアダプタ部分が、逆ネジで取り外し可能。
アルミジャバラ部分を、カット可能なんです!
まとめ
「乾太くん」に必須の”排湿筒”について解説しました。
特に、延長可能な長さについては分かりにくい部分の一つ。
設置基準を理解して、トラブル無いように留意しましょう。
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